エレキベースである、5弦ベースやジャズベース、プレシジョンベースやフレットレスベースはご存じですか?
多様なベースの種類や、何を買おうか迷った時の初心者におすすめのモデルや選び方をプロが伝授します!さらには弾き方まで伝授してくれるので、エレキベースを触ったことのない人も、さらに腕を上げたい人も見逃せません!
ベースとギターの違いってなに?
「ベースもギターも同じでしょ?」「見た目の違いも分からない!」という初心者の人も多いと思います。実際にどこがどう違うのか説明できるのは、とても音楽に詳しい限られた人だけになります。
演奏する際に、低い音域パートを担当する楽器がベースです。その楽曲の土台となるような音やリズムを表現するといったイメージです。ジャズでいう、「ウッドベース」や、クラシックでいう「コントラバス」「チューバ」と同じ役割を持ちます。
実際にギターと音を比較してみると、ギターよりもさらに1オクターブ程低い音を出すのが分かります。そのため、ギターよりも弦が太く作られているのは低音を出すためであり、太い弦を支えるためにもギターより楽器本体は長く大きく作られています。
楽曲の土台を担うベース
ベースが奏でる低音は、目立ったメロディーを担当するということではないため、フレーズが聴き取りにくいといったいわば裏方のような役割になります。よって、ベースの受け持つ役割とは何なのか理解しがたい楽器であるともいわれています。
しかし、前述でも述べたとおりベースは楽曲の基音です。ハーモニー(和音)の土台となる音を示す役割があり、楽曲全体を構成するリズムとなるとても重要な役割を担っています。ベース奏者によって、その楽曲のアンサンブルの出来が左右する程と言われています。
裏方のような役割を担うベースは、ギターの音色やメインのメロディーと比べたら「地味」なイメージが強いかもしれません。しかし専門家の研究結果によるとヒトの耳は低音域に敏感で、低い音を理解しやすく拾いやすい構造になっているようです。
別の研究結果によると、人はベースの音を聴くと「自然と力がわいたり、自信がわいてくる」といった現象が現れることもあるようです。なににおいても「土台」がなければ始まりません。ライブで音楽を聴いている人たちの高揚感やノリまでもを左右するベースという楽器。なくてはならない重要な役割を担っているからこそとても魅力的な楽器ですね。
Pump up the music — especially the bass — to make you feel powerful(英文)>>
本当に初心者でもベースを弾くことができる?
そんな重要な役割をもつ難しそうな楽器、初心者には手が届かないのでは?と思う方もいると思います。しかしそんなに難しく考える必要はありません。ベースが担当するのは、和音の基となる音のため大半が単音で構成されています。
それに比べてギターは、同時に複数の音を押さえるといった動作が必要となります。単音で構成されることが多いベースは、ギターやピアノと比べると初心者でも始めやすい楽器ともいえます。ただ始めやすいといっても誰でも容易に弾けるということではありませんが、まずは気軽にバンドなどで一度ベースに触れてみてその楽しさを味わってほしいですね。
エレキベースの種類と選び方を解説
「エレクトリックベース」というのをご存じですか?エレキギターと類似する構造のエレクトリックベースは、ポップスやロックの間でよく用いられているため、「ベースギター」と呼び名を変えていることもあります。
2017年の時点で、エレクトリックベースは誕生してから70年も経っていないのです。その70年の間に沢山の種類のベースがこの世に誕生し、普及されています。
4弦ベース
多くの人が使っているのは、弦が4本のエレクトリックベースです。調弦(レギュラーチューニング)を行った場合、6弦~3弦のエレクトリックギターの低い弦と音の並びは基本的に同じなので、バンドでベースを担当するということであれば、4弦ベースで十分な音域が演奏できます。
プレジションベース
1951年にフェンダー社から量産で発売された、とても長い歴史を持つベースがこのプレジションベースです。このベースが発売されるまでは、オーケストラなどで活躍するコントラバスが使われていることが多かったのです。しかし、アンプを使い音を増幅することができるというこのエレクトリックベースが誕生してからは、楽曲の世界に新たな歴史が生まれました。
従来多くの場面で活躍していたコントラバスは、自身の耳を頼りに音を取り演奏するもので、指板の上にフレットラインがないといった難点も相乗し、正確な音を出すことが大変難しいといわれる楽器でした。新たに誕生したこのベースは、指板に金属でできたフレットラインが設置され誰でも正確な音程が取れるようになりました。そんなところから「正確な」という意味の「プレジション」という名がついたと言われています。
このプレジションベースの特徴は、中音域の太くて強い音です。そのわけは、ピックアップをひとつのみ取り付け、1トーンのコントロールに太いネックを持ち、シンプルな1ボリュームといった形です。何度もマイナーチェンジを繰り返し、ささいなスペックも改善を重ね、フェンダー以外のコピーモデルを多く輩出するなど、今では60年以上の歴史を持つ世界中で愛される楽器となりました。
ジャズベース
次にご紹介するのはプレシジョンベースより少し後になる1960年頃、同じフェンダー社からエレクトリックベースとして発売された、こちらのジャズベースです。
従来のものより、より多くの音域を奏でることができるよう、プレジションベースをもととしピックアップを2つ搭載したことや、明るく繊細な音を出せることが特徴です。プレジションベースとひかくしてみると、そのような明るく繊細な音を出せるようになったのはネックの握り部分の太さを削り、より扱いがしやすくなったという改良の成果です。
こちらのジャズベースも、またたくまに世界中で知れ渡り数多い人の手に渡ることとなりました。多くのコピーモデルも誕生し、長い歴史を渡り今現在存在する多くのエレクトリックベースは、このジャズベースやプレジションベースの影響を受け誕生したものであり、エレクトリックベースの元祖ともいえるでしょう。
スティングレイ
レオ・フェンダーという、フェンダー社の創始者と、1971年にそのフェンダー社を退社した2人の人物(フォレスト・ホワイトとトム・ウォーカー)の3人で共同開発したベースがこちらのスティングレイ。
先ほどのジャズベースに搭載されているシングルコイルピックアップというものをさらに2つ繋げた「ハムバッカー」と呼ばれるピックアップを取り付けているのが主な特徴です。さらには、ベースの本体だけで高音域や低音域を調節することができるようになったのは、楽器内部にアクティブプリアンプという電池駆動のものを内蔵したからです。
多弦ベース
バンドなどで担当するベースは4本の弦でも十分ということもあり、多くの人が使用してるのは4弦のものだと思います。しかしベースの歴史の中で、時代ごとの特性が生まれ、多弦ベースと呼ばれるさらに弦を増やした楽器の必要性が高まりました。
5弦ベース
多くのベースプレイヤーたちを悩ませる出来事が起こり、この5弦ベースは生まれました。それは1970年代頃に普及しだしたシンセサイザーと呼ばれるものにより、低音域を含んだ楽曲が次々と作られて行きました。従来のベースで出すことのできない音域にベースプレイヤーたちは頭を悩ませました。そのような楽曲を生演奏で再現しなければいけないといった問題にぶち当たり、そこで楽器メーカーとの共同開発をすることを決意しました。既存の4弦ベースにさらに低い弦を1本足し、5弦ベースが誕生し、人々の手にわたって行きました。より重低音なサウンドが求められる楽曲や、横移動の運指を極力減らしたい時などに有効です。
6弦ベース
ジャズ・フュージョンのベースプレイヤーを筆頭に愛用されたといわれる6弦ベースは、1970年代後半頃に誕生しました。5弦ベースを土台とし、弦を1本高い音域に足して表現力を上げた演奏が可能になりました。ベースではかつて表現できなかった、ギターのような高音でのソロも奏でることができ、コードプレイを活用したいというベースプレイヤーが愛用したといわれています。
フレットレスベース
ウッドベースとはもともとエレキベースからきており、そにフレットが打たれていないことをご存じでしたか?フレットレスベース自体はごくありふれた存在であり、それはエレキベースの創世記ごろから変わりません。
フレットレスベースの特徴は柔らかい素材の木材が指板なので、指板と指が接触したときにウォームで深い音を演出します。それと比べて通常のベース(フレッテッドベース)は、弦とフレットが接するためそのような深い音は生まれません。
しかし、プレイヤーには高い能力が求められます。その理由は、フレットという境目がないので常に正確なピッチで演奏しなければなりません。少し難易度が上がる分、大きな魅力として、歌心溢れる豊かな表現力を演出し、自由な演奏ができるというところです。
エレクトリックアコースティックベース
エレクトリックアコースティックベースは中身が空っぽの箱のような本体が特徴です。反対に一般的なエレキベースは本体に空洞はないソリッドボディです。共鳴するボディが作り出す豊かなハーモニクスは圧巻の存在感です。このエレクトリックアコースティックベースと、アコースティックギターとは切っても切り離せない互いを引き立てあう存在です。
ウクレレベース
最近よく見かけるという人も多いのではないでしょうか?形はウクレレそのもののベースが作りだされ、ウッドベースとよく類似した音感は注目を集め、取り回しの良いコンパクトなボディがとても人気です。
アップライトベース
歴史をさかのぼり、初期の頃のウッドベースにはいくつか改善点がありました。それは大きな音量を得るために作られたボディはサイズが大きく重量もあり、持ち運びに大変苦労すること。そのことから、近年数多く製造され続け、ミュージシャンや著名人の使用率が右肩上がりのエレクトリックアップライトベースが注目を集めています。単体で音量を稼ぐ必要がないのでサイズは最小限コンパクトにデザインされているのが最も大きな特徴です。バラードやジャズでは欠かせない、豊かな低音を出すサウンドは長い弦長からくるものです。
まずは好みの形を選ぶのが◎定番モデルは迷った際におすすめ
メインとなる様々なベースを挙げてみましたが、まずは自分の好みのベースを選ぶのがよいでしょう。「自分が応援しているベースプレイヤーと同じものを使いたい!」や、「単純に見た目が好み」といったものがあれば、ぜひ一度手に取ってみるといいと思います。練習するモチベーションを保つためには、好みのベースを使うに越したことはありません。
色々調べて悩んだけどやっぱり自分の好みだけでは決められない!といった方にオススメなのが、ジャズベースタイプ、プレシジョンベースタイプのどちらかです。エレクトリックベースの中でも比較的歴史の長い2つになりますので、この2点のどちらかを選択することをオススメします。
メインとなる3パターンの弾き方をご紹介
初心者の方には聞きなれないかもしれませんが、エレキベースのメインとなる奏法としてフィンガー、ピック、スラップと呼ばれるこちらの3種の奏法になります。
フィンガー奏法
こちらが最も一般的な奏法で、使う指は人差し指と中指の2本。指の腹を使ってなでるように動かすことで弦を振動させるのですが、太さ、そして柔らかさを兼ね備えた音が出せます。それは人の柔らかい指を使うからこそのサウンドです。またどんなジャンルにも対応します。まず初心者の方にオススメしたいのはこの奏法で慣れるとよいでしょう。
ピック奏法
弦を弾くのに使うのは硬質なピック。指で奏でる柔らかみのある奏法は異なります。強いビート感と派手なアタック感を出したい楽曲に向いています。主に向いているジャンルはロックやパンクミュージックです。
スラップ奏法
こちらは指を使うのにも関わらず、フィンガー奏法とはまた違った雰囲気を出します。ピック奏法のような力強いアタック感、そして鋭く硬質な音を奏でることができます。弾き方は、親指を使い弦を押し出すような感じで、人差し指や中指は弦を引っ張るようにします。
最近では時代の流れも変化しベースプレイヤーの好みは、スラップ奏法をメインとした派手な演奏が注目を集めています。こちらの奏法はまだ歴史が浅く、ベースプレイヤーによって様々な新しいベースプレイが日々誕生しています。
初めての人はこちらのメーカー!
Bacchus BJB-1R
長野県に工場をかまえる日本のメーカーBacchusは、中国にも拠点をかまえ生産拠点とすることで大幅にコストダウンを可能としたUniverseシリーズのメーカーです。
生産拠点を海外に置くことで低価格を実現しながらも、ベース本体の高いクオリティは世界でも認められ広く注目を集めています。初心者が始めててにするベースとして使用するにも「弾きやすく、音も良いものが欲しい」という方には特にオススメしたいです。
Bacchus BJB-1R (3TS) エレキベース
18,150円(税込)
Squier SQ VM JAZZ BASS ’70S NAT
最も認知度の高いエレキベースメーカー、フェンダーが管理するブランドです。なかでもヴィンテージモディファイドシリーズは、Squierの中で高いグレードに位置していて、モダンとクラシックがミックスされたデザインとなっています。
今回紹介するこちらのモデルは、1970年代のフェンダージャズベースを意識し指板Rを緩く改良し、さらに大きめのフレットに代えることで現代のベーシストにマッチするよう繰り返し改良を重ねたモデルです。
Squier エレキベース SQ VM JAZZ BASS ’70S NAT
50,486円(税込)
Sago Seed Kanderbird Dress White
みなさん神田雄一郎氏をご存じですか?こちらのモデルは、ロックバンド「鶴」のメンバーである彼のシグネイチャーモデルなのです。ギブソンらしさが表れるハムバッカーピックアップと、フェンダーらしいボディを組み合わせるといった、最強タッグの1本となっています。
ハムバッカーピックアップにより極端にノイズを抑えることが可能となりました。主な特徴は、太い低音サウンドや高音のメロウさを兼ね備えたサウンドです。定番のボディシェイプが適用されたこともあり、日頃からフェンダー系のベースを愛用しているプレイヤーにとっても自然と持ち変えることが可能です。
Sago サゴ エレキベース Seed Kanderbird Dress White
80,252円(税込)
YAMAHA TRBX505 TWH
TRBXの5弦ベースはヤマハの主モデルです。パッシブモードと、アクティブモードの2つのタイプを切り替えるスイッチがあり、ウォームで繊細な音、強くハッキリとしたクリアな音を使い分けることができます。
一般的にこのような価格帯の5弦ベースには難点が生じます。実際に弦の低音の再生が不十分といったことです。しかしこちらのボディは、強力な3種の木材(プリアンプ、メイプル、マホガニ)でできた強い5ピースネックを作りだしたことにより、はっきりとした低音を出すことができます。4弦ベースではなく、初めての5弦ベースを検討している方にはぴったりなものです。
ヤマハ エレキベース 5弦 TRBX505 TBR
57,333円(税込)
Aria FEB-FL/F N
Ariaが販売する価格を最小限に抑えたエレクトリックフレットレスアコースティックベースは、歴史の深いAriaならではのアコースティックスタイルです。ボディデザインは大きく中は空洞になっていて、アンプを使用することなく、ほどよい大音量が得られるのが特徴です。
さらに高性能といわれる、ピエゾピックアップとプリアンプを搭載しています。この1本で充実した音つくりが実現する理由は、チューナー、そしてイコライザーとノッチフィルターの3種を搭載しているからです。
塗装に至ってはサラっとしていて、かつマットな質感です。滑らかなボディコーティングにより引っ掛かりはさほど感じられず、フレットレスの良いところを存分に引き出した、伸びるようなベースプレイにマッチする1本です。
Aria アリア フレットレス Fホール エレアコベース フレイムトップモデル 4バンドイコライザー チューナー搭載 ナチュラルカラー FEB-FL/F N ソフトケース付属
21,800円(税込)
中古購入を検討している人は信頼できるお店で
ベースについての知識が少ない初心者の方にぜひお伝えしたいエレキベースの知識と種類、さらには選び方について紹介しました。自分が新しいベースに求めているものは何なのか、手に入れるためには予算はいくらくらいまで用意すべきかなど、ベースについて理解していく中で少しずつわかってくるはずです。
また、もしすでに信頼できるお店があるのならば中古のエレキベースもおすすめします。新品だと高価なモデルも、中古なら安価に手に入るのはもちろん、すでに前の持ち主が弾き込まれているので楽器が最初からよく鳴る状態になっているケースがあるからです。ぜひ納得するまで沢山迷って、自分にピッタリの相棒を手に入れて幸せなベースライフを過ごしてください。