この記事では、ベースの弾き方によって出る音に違いはあるかどうか、指弾きとピック弾きの長所と短所を細かく解説しようと思います!
およそ9割のベーシストが、ピック弾きではなく指弾きを採用していると言われています。しかし、これはあくまでも主に使う奏法が指弾きだということです。
ベーシストの9割が指弾きと聞いてしまうと、ピック弾きは身につけておかなくても問題ないように思ってしまいますが、ベースにはピック弾きだけが出すことのできる音も当然あるのです。
例えば、スラップテクニックのサムアップ・ダウンの連打は、ピック弾きに似ている雰囲気が出ると言われますが、「似ている」雰囲気というのは言葉のとおり、ピック弾きで出る音と全く同じという意味ではありません。
理想的なのは、指弾きとピック弾きをどちらも習得して、楽曲に合わせて上手く使い分けられることです。
2つの方法を上手に使い分けるためには、指弾きとピック弾きがどんな奏法なのか学び理解を深めておかなければなりません。
そこで、指弾きとピック弾きの2つの奏法について、それぞれの長所と短所、その使い方分けを丁寧に解説します!
指弾きとピック弾きの音色の違い
まず初めに、それぞれの音色を聞いてみましょう。
ベースは同じものを使用しています。
指弾きをした音
ピック弾きをした音
指先は柔らかいので、ピックと比べて優しい丸みを感じる音です。一方、ピック弾きの音は、素材がプラスチック等の硬いもので出来ているため硬い音のように感じます。
指弾きの長所は?
- 自然にスラップ奏法に移行できる
- 太い音を出すことが可能である
- ミュート奏法、3フィンガーなど、あらゆる種類の奏法があり、幅広いジャンルに対応可能
- ピッキングニュアンスが出しやすい
- ピックが無くても演奏できる
以上、指弾きの長所はこんなところです。
自然にスラップ奏法へ移せる
2フィンガーのフォームとスラップ奏法は、ピッキングする右手の場所が近いため素早く切り替えて演奏することが可能です!
スラップ奏法をベースが目立つ小節のみ取り入れるというように、アクセント的に使うこともできます。
例えば、楽曲「おしゃかしゃま/RADWINPS」のように、サビだけを2フィンガーで演奏して、その他の部分はスラップ奏法で演奏するという方法も効果を生むでしょう。
太い音を出すことが可能である
ピック弾きと比較すると、指は弦に触れる面積が大きいです。
その大きい面積で弦を振動させるので、弦振動が大きくて、どっしりした低くて太い音を鳴らすことができます。
あらゆるジャンルに対応できる
指弾きに関連するテクニックは数多くあります。
2フィンガー・3フィンガー・4フィンガー・ミュート奏法・スラップ関連のテクニック。
これだけ様々な種類があるので、幅広いジャンルをカバーすることができ、殆ど全部のジャンルに対応することができます!
ピッキングニュアンスが出しやすい
体の一部である指を使うことで、ピッキングニュアンスが力の入れ具合次第で出しやすいです。
逆に考えると繊細なピッキングの違いも出やすいということです。そのため、どれだけ練習しているのかが分かりやすい奏法であるともいえます。
ピックが必要ない
ピック弾きベーシストと違い、ケーブルとケーブルを持っていればほぼ問題ないでしょう。
ベーシストでミニマリストな方に最適だと思います。
ベースの指弾きの短所とは?
- 最初のうちは水ぶくれができて痛い
- ピック弾きのような硬い質の音は出せない
- 色々な奏法があるので習得するには時間がかかる
- ベースによって親指を置く位置がちがう
などを指弾きの短所として挙げることができるでしょう。
最初のうちは水ぶくれができて痛い
ベースを指弾きし始めて最初の壁になるのが、指先の水ぶくれです。
初めたばかりは、指の皮が柔らかいため、すぐに水ぶくれが出来てしまいます。
水ぶくれが出来たときは潰さずにいるのが一番良いですが、指先なので気になったり、水ぶくれが痛いのでベースどころではなくなるかもしれません。
ですが、その段階を乗り越えることが、上手くなった!という満足感に繋がると思います。
ピック弾きのような硬い質の音が出せない
これに関しては、指とピックの素材の違いです・・・。
もしジャンルががっつりロックである場合は、指よりもピックを使用したほうが良いかもしれないですね。
色々な奏法があるので習得するのに時間がかかる
さきほどもお話しましたが、指弾きを追及し極めるには、あらゆるテクニックを身につけることが必要です。
例えば、スラップだけをみても何十という数のテクニックがあります。それを1つずつ習得するには相当な練習量をこなさなければなりません。
しかし、考え方を変えればそれも指弾きの魅力の1つなのかもしれないですね。
ベースによって親指を置く位置がちがう
少し細かい内容ですが、4弦を指弾きするときピックアップに右手の親指を置く人が多いと思います。
ハム、プレべ、ジャズベ、のようにそれぞれピックアップの位置が異なります。
そのため、もし突然別のベースを使う状況がきた場合は、違和感がある状態で演奏することになります。
ピック弾きの長所について
ここから先は、ピック弾きについてみていきましょう!
- オルタネイトピッキングにより8ビートのノリが出しやすい
- 素材次第で好みの音を出せる
- 指には出せない硬質の音を出せる
- ライブでノリやすい
- スウィープなどのギターテクニックが応用できる
ピック弾きの長所はこんなところです。
オルタネイトピッキングにより8ビートのノリが出しやすい
まだベースを練習し始めたばかりの方も、8ビートのピッキング(ピックを使用)は一定の音量、音質を出しやすいのではないかと思います。
リズム感があれば、8ビートのグルーヴ感が出しやすいです。
ピック弾きは、8ビートや4ビートが主体のロックやメロコアと相性が最高に良いです。
素材次第で自分好みの音を出せる
色々な形・硬さをしたピックがたくさん売られています。
私は小さい頃、楽器屋さんは、置いてあるピックの数が驚くほど多いお店というようなイメージを持っていました。
硬めの音が好きな方は大きくて硬いピック、細かいニュアンスやスムーズなピッキングが好きな人は柔軟性がある素材のピックを選ぶのが良いでしょう。
自分の好みでピックを選ぶことができるのは強みだと思います。
指には出せない硬質の音を出せる
どんなに頑張っても、ピックで出す音を指で同様に出すことはできません。
似ている音を出すことはできます!
ピックの音をもらいたい、と、他のプレーヤーから依頼を受けることもあるほどです。
ライブでノリやすい
ある箇所に親指などの右手を固定して演奏する奏法が指弾きでもあります。
手首を固定して演奏するピック弾きなら、もし右手の意識が薄かったとしても演奏は可能だと思います。
パンクやメロコアなどのパフォーマンスも重視したジャンルの演奏者には、ピック弾きの奏者が多いと思います。
それから、見た目もかっこいいですよね!
スウィープなどのギターテクニックが応用できる
すこしマニアックな内容にはいってしまいますが、スウィープなどのギターのテクニックを応用することも可能です。
9割がピック弾きと言っても過言ではないギターなので、自分が好きなギタリストの奏法などに挑戦てみるのも面白いのではないでしょうか。
ピック弾きの短所について
- スラップ奏法になる時はピックを手放さなければならない
- 出せる音の幅が狭いので対応できるジャンルが少ない
- ピックを忘れたら大変
- ピック弾きは少ないので話が合う人もあまりいない
以上がピック弾きの短所です。
スラップ奏法のためにピックを手放す
スラップ奏法というのは指弾きのテクニックに含まれます。そのため、ピックを手放して演奏しなければいけません。
ピックを持ったままの状態で演奏する方法もあります。それはピック・スラップ奏法と言って、プルを中指を使ってする演奏方法です。しかし、一般的なスラップ奏法と比較してみると、やはり自由度は下がってしまいます。
出せる音も対応できるジャンルも幅が狭くなってしまう
強弱、ピッキングする位置、ピッキング(触れる、弾く、叩く)などによって、あらゆる音色を出すことができるのが指弾きです。
ですが、ピックを使って出来ることといったら、強弱やピッキングの位置の調節くらいではないでしょうか・・・。
ピックを忘れたら大変
1週間に1度しかないスタジオを使ったバンド練習。3時間予約しています。
準備を済ませて、練習を始めようとしたときにピックを忘れたことに気づいたら。
こんな時は受付でピックを購入するしかないでしょう・・・。
ピック弾きは少ないので話が合う人も少ない
ベーシストに中には、指弾きの人は大勢います。特に探さなくても思う存分気が済むまで情報交換出来ると思います。
ですが、ピック弾きのベーシストは、おそらく探さないと滅多に出会えないです。
それだけ珍しいということなので、友情が目覚めることもあるかもしれないですが。
まとめ
今回は、指弾きとピック弾きについて長所、短所を紹介しました。
指弾きにも、ピック弾きにも、それぞれだけが出せる音があります。普段はどちらか一方しか練習しないという方も両方軽く練習しておけば、活かせるタイミングが来るかもしれませんよ。
両方弾ける = 出せる音が増える、ということですからね!ぜひ、どちらも食わず嫌いせずに練習してみてくださいね!